看護師が知っておきたい止血のしくみ

PTとAPTTが有効な局面とは

具体的に、PTとAPTTが延長する疾患としては、
「血友病」などがあります。

 

血友病に代表される各凝固因子の欠乏症などでは、
欠乏する凝固因子の種類によって、
PTとAPTTの一方、或いは両方が延長します。

 

血液疾患とは、縁遠い診療科であっても、
凝固因子、とくにPTは様々な局面で有用です。

 

その代表が「肝機能障害」と「ワルファリン内服時」です。

 

凝固因子の殆どは、肝臓で産生されます。
ですから、血液疾患がなくても、肝機能障害によって凝固因子が結合し、
凝固時間が延長します。

 

肝臓は、他にも様々な物質を合成しています。
ですが、凝固因子は、ターンオーバー(代謝回転)が早いため、
鋭敏に肝障害を検出できるメリットがあります。

 

肝障害が進行すると、PTとAPTTの両方が延長します。
外因系因子である第Z因子の半減期は特に短いので、
PTのほうが初期からの肝障害の検出に適します。

 

脳梗塞などの血栓性疾患を予防・防止するために、
凝固作用を抑える薬剤があります。

 

それが「ワルファリン」という薬です。

 

ワルファリンは、多くの凝固因子を肝臓で合成する際に、
必要なビタミンKを欠乏状態にすることによって、
不完全な凝固因子を作らせ、
凝固系の働きを低下させます。

 

ビタミンKは、凝固因子の合成に使われた直後は、構造が変化してしまいます。
ですが肝臓には、使い古されたビタミンKを再生する機構があるので、
再び凝固因子の合成に関わることができるようになります。

 

ワルファリンは、この再生の過程を阻害します。
そのため、有効なビタミンKが不足した状態になります。

 

ワルファリンを投与する際には、血栓症を予防し、
かつ出血のリスクが高くなりすぎないよう、
適正な範囲内に凝固能が収まっているかどうか、
定期的にチェックすることが必要です。

 

ビタミンKに依存する凝固因子の殆どは、
外因系、共通系に含まれるので、
PTはそのモニタリングに適します。